第210章

「うちの父が、あなたを気に入った。嫁にするって」

「……は?」

島宮奈々未は唖然として、口元をひくつかせた。

「冗談でしょう? 私、了承してないんだけど。それに、あなたのお父さんがどんな顔かも知らない。『娶る』って言ったら娶れると思ってるの? 年齢だって、どう見ても私の父親でもおかしくないじゃない。頭の中どうなってるのよ」

奈々未は本気で驚いていた。この親子、揃いも揃って同じ穴の狢だ。

天瀬姫奈は丹羽光世を奪って夫にし、天瀬震は今度は奈々未を娶るという。

ふざけるのも大概にしてほしい。

天瀬姫奈は顔を険しくした。

「何よ。お父さまに見初められるなんて、あなたの福なのよ。嫁ぎた...

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